デブサミ2007に行ってきた
@目黒雅叙園。「時代はWeb2.0+Enterpriseに」だそうだ。Web2.0って括りは置いといて、最近、実開発TIPSはいろいろ情報収集できるようになってきたので、今回はEnterpriseとかManagement系セッションを中心に聞いて回った。んで、その備忘録というか、メモというか。
【14-C-2】
メトリクスを使用したプロジェクト運営とソフトウエア エンジニアリングの実践
プロジェクトを見える化して改善していくためには、測定が欠かせない = 測定されていないものは改善できない という話。どういう尺度で、どういう切り口で、プロジェクト運営状況を測定するか、測定された数値をどう加工するか、そこから何がわかるか、というクイズ形式を含むセッションでした。しかし、スピーカーの岩出さん仰る通り、計測するというのがなかなかできないもんです、これ。ウチの場合、少なくとも今の業務規模やビジネスフェーズ的に、ここまでの管理は必要ないんだよなー。見えるようにする、というのは重要だけど、その後の判断や改善を含め、見えたものに対する適切なサポートがなされないことには、やっても意味が無い、とも感じてしまう。
まあ、それができないから、計測もやらない、だから改善もできないって悪循環にハマるんだなぁ.. まずはできるところから、ってことか。
そんなわけで、現実的にやれるかどうかは置いといて.. 作業項目数やシナリオ数、テスト消化数等から紡ぎ出すメトリクスのサンプルには、なるほどなぁ、てなところもありました。
見積り大ベテラン(らしい)な藤貫さんのセッション。最初の見積りが肝心だから、この教訓は覚えておこうぜ、という話。実経験を元にしているだけあり、リアリティがあった。が、教訓としては「前提条件をちゃんと付けよう」「規模見積りには適切なスケールを適用しよう」の2点というところで、「極意」は、ちと言い過ぎのような感も。
実開発する人の力量が標準化でき(てい)ないのだから(いや、そう思ってるのは僕だけで、世の中の開発者は標準化されてるのかも?知らんけど。)、見積りを標準化・定型化するのはやっぱし難しいのでは無いかなあ、と、おもう自分も居た。
僕は通常、実開発する人をby-nameで意識して見積りをするのだが、想定外の割り込みや致命的なコミュニケーションロスが頻発しない限りは、なんとか、そこそこの精度で見積りできている。アウトプットにはいつのまにかFPぽいものが書き出してあったり、前提条件ゴリ書きだったりする。そんなに世の中のやり方とは外れてないってことかな.. でも、ちゃんと意識的に形式化した方が良いんだろうな、やっぱし。
よく考えたら、by-nameで開発者を意識して見積りできる環境って稀なような気もする。大規模システムになってきたり、立場がSIerだったら尚更かも。だからこそ、形式的な手法や標準化という営みも大事なんだろうなあ。
そうそう、「仕様補完」というフェーズの定義は初めて見た。名前を付けてフェーズ化することは、わりと重要だとおもう。
【14-E-4】
アーキテクチャを如何に”維持”するか? 〜SOA時代のアーキテクチャ・マネージメント〜
アーキテクチャの維持管理に関する実践セッション。正直、僕にはレベル高かったが、この他のアーキテクチャ系セッションとも共通する意見としては「SOAはビジネスプロセスありき、だぞ」ということ。
最近ドメインモデルの分析やら設計開発を一人で彷徨っているのだが、自分がやってることが、世の中からそう外れた事では無いことだけは、なんとなく確認できた。あと、アーキテクチャの洗練プロセスの絵(アーキテクチャを実装に反映し、実装をモデル化しアーキテクチャにフィードバックするサイクルのような絵)に、感動した。まだ走り出してもいないくせに(具体的にイメージできていない)今後の課題に不安を抱いていた感があったが、なんか、きれいに整理してもらったという感じ。目が醒めました、はい。
【14-A-5】
ビジネスモデリングを極める!(4+1)x1ビューで見える化する
すぐ横の部屋で大行列を作っていたJavaScriptセッションと悩んだが、こっちにして良かった(JSのそれを聞いてないので、自己満足だが)。それほど、興奮した。今日最高の収穫だった。
Kruchtenの4+1ビューにビジネス視点の4+1ビュー&バリュー視点のx1を整合させようぜ、という分析プロセスの提案。理論的で、かつ、実践的。企業の戦略マップを作ったり、それを4+1ビューに落とし込んだり、それらを整合確認したり.. という営みに、なんだか画期的な美しさを感じた。たぶん、僕、身を乗り出してたとおもう。
過去に技術現場経験がまったくない頃に、なんとなく不安になってマネジメントスクールでビジネス分析やらアクションプラン策定を学んだのだが、そのときの点と、今の自分の点が、ふっと繋げられた気になった。
こういうの、自分、好きかも!素敵な音楽を初めて耳にしたときのような、そんなドキドキを感じた。
【14-E-6】
実践! モデルベースSOA 〜モデリングとオープンソースを活用した開発方法論と適用事例〜
SOAやるときの開発フローだったり、分析時の階層分けだったりの、これまた実践手法の紹介セッション。これまた、自分の経験不足もあり、概要は理解できるが、話の裏側までは読み取れない、ハイレベルな話だった。でも、前の2セッションと同じような思想で話をされてることはわかった(それだけかよ、というのは寂しいがOrz)。
Muleてのは初めて聞いた(オープンソースESBらしい)が、なかなか面白そうだ。今度使ってみよう。せっかくだからJettyで動かしてみよう(Jetty使ったときのエントリまだ書いてなかった)。Springもいけるみたい。
時間的には、あと一枠セッションがあったのだが、疲れたのでキャンセルして帰社。
まとめ、というか、会場でいろんな人の話を聞いたので、その所感。
- 楽しそうに話す人も居れば、大変そうに話す人も居る。僕にとってはどれも面白いのになあ。話しかたで、話の内容の印象まで変わってしまう気がする。気を付けないと。
- Enterpriseやるなら、やっぱしJavaがやってて楽しそうだ
- 流行モノをいじるのも楽しいけど、理論的な話には凄く魅力を感じる。理論に基づく実経験と積み上げが欲しいなあ。自分の中に、積み上がってる感を感じたい
そんなデブサミ初日でした。明日は行けそうに無い。残念。
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