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4月 24

# 自宅ネットが今週末までこないので、エントリさぼってたけど、忘れないうちに書いておく。

@T’sPlaza 246。2回目の参加。今回のテーマは「メディアの今後」。前回参加したときと同様、主宰の上原さん保田さんによる、ゆるっとした感じの始まりかた。こういう感じ、好きだな〜。

今回のゲストは、紙メディアから日経新聞デジタルメディア(デジタルじゃん)の重森さん、オンラインメディアからアイティメディア(Business Media 誠)の吉岡さん、ソーシャルメディアから「ワークスタイル・メモ」「アルファブロガー」著者の徳力さん。各方面の方から、「最近どうよ」の話(略しすぎ)をうかがった。

細かいまとめは、どこかの人が丁寧にまとめてくれているだろうから、「へ〜」と思ったところと、感じたところだけを書いておく。

  • 2005年度の広告費は新聞:インターネットで3:1くらい(電通調査)。… まだまだ新聞って強いんだな
  • 新聞は主要6紙だけで、毎日3000万部発行。 … 改めて考えると凄い数。でもオンラインメディア(たとえばPV)と同じ尺度じゃ測れないよなあ
  • 紙メディア(新聞)記者の価値観には「著作権」が根強い。「ジャーナリズムを回していく」には、まだ課題有り。(重森さん) … 「大会社みたい」「お役所仕事」と括ってしまえばそれまでだが、強い価値観はブランドに不可欠だと思う。それでこその信頼感が強みになっているわけだし
  • 日経もデジタルメディアをやっているが、外部の人に記事を委託する感覚/ノウハウ/時間感覚には、まだ課題がある。(重森さん) … それって記者から見たらハードルが高いってことなのかな〜。ってことは、日経で書くってのは一種ステータスにもなりうる??
  • 新聞にもよるが、基本的には見出しだけで伝わる書き方をするのがこれまでの価値観。「?」で終わる見出しなんて無い。(重森さん) … ネット記事にありがちな煽り見出しとかダメなのね。この辺、感じたことを下に書く
  • 媒体として「紙」が存在する強み、できあがるまでの何重ものフィルタ、緊張感。(重森さん) … 紙とか本とか、やっぱし刷物になってるのは重厚感/信頼感みたいなものがあるね。でも、小さい頃から慣れ親しんできた「情報を得るスタイル」に裏打ちされている部分もあるとおもう。この辺も下に書く
  • 定年退職「これで明日から日経読まなくて済む!」(重森さん) … へ〜、そんなこと考えるのかなー。毎日読んでる人って、もう習慣になっちゃってて離れられなくなってるもんだとおもってた。定年過ぎても延長して働いてたりする人も多いみたいだけど、それって少数派?すぱっと生活切り替えるのかな、みんな
  • オンラインメディアの強みは「速報性」「いくらでも細かく書ける(紙面制限が無い)」「蓄積性」。(吉岡さん) … 「蓄積性」は「検索性」あるいは「ライフサイクル(の長さ)」ともいえるかも
  • 記者の立ち位置を明確に打ち出しやすい。どっかのプレスリリースに対し、フットワークよく書けるのも、(個人でなく)会社で組織的にやってるからこそ。でも、記者クラブに入れないなど、まだ紙と比べて取材の壁がある。(吉岡さん) … 会社でやってても、記者クラブって入れないんだ.. アイティメディア上場した今でもダメなのかな〜、いまだにそんな差があるなんて驚き
  • オンラインメディアは、まだ、情報の分野が偏っている。「日経xx」みたいな紙媒体ほど、幅広い分野がカバーできてない。(吉岡さん) … なるほど、確かに「日経ロジスティクス」みたいなオンラインメディアってないな
  • ソーシャルメディアは、そもそもメディアを目指していない段階からスタートする。それが人(読者)/注目を集め、次第にメディアとして機能するようになっていく。(徳力さん) … 確かに、むかし「ブログ」みたいなものが流行る前に「○○メモ」ってサイトやってたら、いつのまにか読者が付いてたな。今は畳んでしまったけど
  • 誰でもメディアを意識せず始められる、障壁の低さがソーシャルメディアの強みであるが、そもそもメディアとして書いていないため、全体として信頼度が統治されていない/混在している状態が弱味でもある。(徳力さん) … 統治されているのがわかる仕組みがあるといいなあ。まえ、mixiのなかで書いたような気がするけど、ベリサインみたく、第三者の情報統治認証機関があったらどうだろう。誰がどうやって認証するのかは知らん。専門家集めるとか?
  • factは比較的簡単に手に入るようになり、その先のopinionも求められるようになった。(徳力さん) … 情報の得かたの変化に伴い、情報の価値もシフトしてきているのだとおもう

上に書いた、見出し/リードの付けかたや、紙メディアが持つ信頼感について、もうすこし考察してみる。

情報の得かたの変化に伴い、メディアの価値やスタイルも変化していくものだとおもう。昨今で一日に触れられる情報量といったら膨大だ。日に2-300のFeedチェックは普通だろう。僕はメディアビジネスに疎いのでよくわからないのだが、広告費だけがメディアの生命線だとすれば、煽り見出しやリードは必要な努力なのだとおもう。紙メディアは、そもそも紙に向かっているシーンが、オンラインメディアに向かっているシーンとは別であることを考えれば、煽り見出しなんて付けず、一覧性/わかりやすさが追求されていれば良い。

ところで、僕の場合、小さい頃から触れてきたメディアといったら紙(本か雑誌かマンガか、それとも自治体や学校が発行するようなペラ紙か。新聞は大人の読みものだった)か、テレビだった。テレビに至っては超田舎だったせいで民放の電波が入らず、汚い映りのNHKくらいしか見られなかった。インターネットに触れたのは高校に入ってからだ。

ともかく、紙から情報を得ることに慣れ親しんできた僕には、それが一次情報というか、情報のすべてだったようなものだ。あとは、家族親戚や友人との話くらいか。すくなくとも、僕のなかの、刷り物に対する信頼感はここに起因する部分があるのではないかとおもう。だから、小さいうちからネットを使った情報取得に慣れ親しむことのできる社会が当たり前になっていったとき、紙メディアが持つ信頼感/ブランドが現在のまま続いていくとはおもえない。

では、メディアが持つ価値って何なんだろう。価値=信頼性なのだろうか。信頼性=正確性なのだろうか。factよりも、opinionなのだろうか。それとも、(正しいとか正しくないとかは重要ではなく、)正確でなくとも、何かを感じることができるような主張/哲学に価値があるのだろうか。

価値観もメディアのポジショニングも十人十色だとおもうけど、僕だったら、「正確でなくとも、誰か(そのコンテンツのターゲット)が、何かを感じることができるような主張」を届けるようなメディアであれば、作ってみたいかな、とはおもう。


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One Response to “RTCカンファレンスに行ってきた(070423)”

  1. チミンモラスイ? Says:

    『メディアの今後』@RTCカンファレンス

    RTCカンファレンス Vol.22 に参加いたしました。
    今回のテーマは、「メディアの今後」ということで、3つの異なる立場からのゲストの方のお話を聞くことができました。
    「RTCカンファレンスVol.22 『メディアの今後』」
    4月23日開催のRTCカンファレンスVol.22は「メディア…