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12月 16

ケータイハックス-いつでもどこでも仕事術 [マイコミ新書] (マイコミ新書)
マイコミ編集の方から、モバイル関連で2冊、ご献本いただきました。ありがとうございます。まずは、「ケータイハックス-いつでもどこでも仕事術 / 田中 聡 著」のご紹介。

こちらは、新書というスタイルでありながら、その名のとおり、「ケータイのハック」TIPS を詰め込んだもの。ケータイでのメモ、カメラ、ボイスレコーダ、メール、スケジューラ、GPS、アドレス帳、フルブラウザ、そして、これらとオンラインサービスとの組み合わせ、などなど、すぐにでも試せるハックが満載だ。もし、「いま使っているケータイをトコトン使いこなしている」と自信をもって言い切れないのであれば、手に取る価値がある、なんらかの新しい発見がある一冊といえる。

私見だが、今後は、多くのケータイユーザが、同一機種をより長期に渡って利用するようになっていくと見ている。これにより、いま持っている機種の「使いこなし」ニーズは高まってくるはずだ。

僕が同一機種の長期利用が進むと考える大きな理由に、今季、各キャリアが実施したケータイの料金体系変更がある。いずれのキャリアも 2 年を目安にした継続利用を前提としたプランを推しているようだ。今年(2007年) 3 月の内閣府の消費動向調査によれば、携帯の機種変更サイクルの全体平均は 2.7 年だそうだが、これまで 11-13 ヶ月での継続利用で結構な額の割引(支援金)を受けられていたことを考えると、今回の料金体系の変更は、同一機種の継続利用期間の最低ラインを底上げすることになる(結果、平均の継続利用期間は上がる)と見て良いと思う(実際、僕はこれまで 1-1.5 年で機種変更していたが、今回の料金体系変更は大きいので、次回機種変更のタイミングを考えている)。

「これまでよりも同じ機種を長く使う」という前提に立ったとき、キャリア/機種選びはより慎重になるだろう。本書のもうひとつの特徴は、ケータイを使いこなすための、キャリアや機種選びの "よりコアな視点" を提供してくれることにある。たとえば、機種選びのひとつの視点に文字入力周りの機能があるが、ここには、予測変換精度、予測変換辞書の効果的な学習方法、ポケベル入力可否、ユーザ辞書使用可否、ユーザ辞書登録方法、定型文呼び出しのキータッチ数、絵文字一覧呼び出しまでのキータッチ数とページ送りキーの位置、日本語入力からアルファベット入力へ切り替えるときのキータッチ数、などなどのチェックポイントが(少なくとも僕には)ある。本書を読んでいくうちに、ケータイを使いこなしている筆者のこういった視点が見えてくるのはなかなか面白い。こういった視点を読み解くのもまた、ハックといえるだろう。

本書の興味深いところは、「ケータイ使いこなし」となると、それが「モバイル機器使いこなし」へと転じ、結局「スマートフォンハックス本」が溢れているという今日に、「そういえばなかったよね」ともいえる「(通常の)ケータイのノウハウ本」という新ジャンルでまとめてきたところにあると思う。こういった本は、今後増えていきそうだし、増えていってほしい。


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One Response to “「ケータイハックス」な本は今後増えていくと思う”

  1. Persistence is Power Says:

    「USBメモリハックス」が意外にコアで面白かった

    モバイル関連でマイコミ編集の方からご献本いただきました、の続き。ありがとうございます。続いて、「USBメモリハックス WindowsXP/Vista対応 / 福多 利夫 著」のご紹介。
    USB メモリを利用する際の基礎知識から、どんな情報を USB メモリで持ち歩くか、PC とどのよ….